レシピあれこれ

ソーセージに含まれる添加物が気になる方へ伝えたいお話

目次

なんとなく気になる、食品添加物

シュヴァインハイムは工房に隣接した直売所を設けているので、お客様と直接お話する機会も多くあります。
シュヴァインハイムを初めて利用される方に時々聞かれるのが「添加物は使っていますか?」という質問です。
添加物はここでは食品添加物のことを指していますが、工房では「はい。添加物を使用しています」とお答えしています。

日常の生活の中で食品添加物は欠かせないものです。
シュヴァインハイムでも商品の安全性を高めるため、そして、美味しいソーセージを作るためにごく最小限の添加物を使っています。

今日はみんながなんとなく気になっている添加物のお話を、シュヴァインハイムの工房からの視点でお届けしたいと思います。

シュヴァインハイムの粗挽きソーセイジの原材料表示は?

ここで、シュヴァインハイムの粗挽きソーセイジの原材料表示を見ていただきたいと思います。

豚肉(愛知県産)、羊腸、食塩、赤ワイン、香辛料、発色剤(亜硝酸Na)、酸化防止剤(ビタミンC)、結着剤(リン酸Na)

豚肉に羊腸、塩、発色剤など8種の原材料が書かれていますが、この中で食品添加物はどれに当たるのでしょうか。

そもそも、食品添加物ってどういったものをいうのでしょうか?

添加物ってなあに?

食品に加える食品添加物は、国の定める食品衛生法できちんと決められた定義があります。

「食品添加物とは食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するもの」とされています。

。。法律の言葉って難しいですね💦

これをソーセージに置き換えて簡単に言うと

「食品添加物とは、①ソーセージを作るために豚肉に加えて使うもの②ソーセージを加工・保存するときに使うもの」

ということになります。

シュヴァインハイムのソーセージの原材料は豚肉だから、それ以外に加えるものが添加物になるの??と一瞬思いますが、そうではありません。
塩、砂糖、醤油などは食品添加物には該当しないのです。むむむ。。

「食品」と「食品添加物」の違い

塩を添加して作るソーセージなのに、塩は添加物に当たらない、とはどういうことでしょう。

塩や砂糖、醤油は、伝統的に「食品」として食べられてきたので食品添加物でなく「食品」になるそうです。ちなみに、香辛料(スパイス&ハーブ)も平成18年より「食品」と定められました。

シュヴァインハイムの粗挽きソーセイジの原材料は豚肉(愛知県産)、羊腸、食塩、赤ワインが「食品」で
発色剤(亜硝酸Na)、酸化防止剤(ビタミンC)、結着剤(リン酸Na)が「食品添加物」になります。

いろいろ調べていくと、「食品」と「食品添加物」の境目はあいまいなところも多いようです。

例えば、酸化防止剤(ビタミンC)。
ビタミンCといえば思い出すのは酸っぱいレモン。
レモンには100g中に100mgのビタミンCが含まれています。
「レモン」は誰もが食品、と考えますよね。
それではソーセージに酸化防止剤ではなく、レモンを加えたら、原材料に「レモン」と表記され、食品添加物にはならないのでしょうか?

答えは、レモンは食品添加物になります。なので、酸化防止剤の記載をしなければなりません。

「食品」であっても、それが、酸化防止の目的で加えられたならば酸化防止剤という「食品添加物」にあたります。むむむ。。
ただし、レモンソーセージとして、レモンを使ったソーセージを作る場合はレモンの用途は「食品」であり、酸化防止のために加えているわけではないので、「食品添加物」にはあたりません。

着色料についても、赤くするために入れたトマトジュースは「食品添加物」にあたりますが、料理の材料として入れたトマトジュースは「食品」であり食品添加物にあたらないそうです。

このあたりは作りての判断にもよるので、結構あいまいということです。

さて、シュヴァインハイムで使われる食品添加物。
どんな役割をしているのでしょうか。

シュヴァインハイムで使う食品添加物

亜硝酸ナトリウム(発色剤)

発色剤、とありますが、主な使用はボツリヌス菌の繁殖を抑制するために使用しています。
ボツリヌス菌は低酸素状態で発芽・増殖する嫌気性細菌です。
ですので、真空パックや瓶詰などの低酸素状態を好みます。
また、土や水中などどこにでもいる土壌菌なので食品原材料の汚染防止は困難とされています。
「ボツリヌス食中毒」になると、吐き気、おう吐や視力障害、言語障害、えん下困難 (物を飲み込みづらくなる。)などの神経症状が現れるのが特徴で、重症例では呼吸麻痺により死亡します。
自然界に存在する毒素としては最も強力、なんだそうです。怖いですね。。
亜硝酸は日本に入ってきたときに「発色剤」として登録されてしまいましたが、発色作用よりもボツリヌス菌を抑制する働きのために食品に添加されます。
実はボツリヌス菌の語源はラテン語のbotulus(腸詰め、ソーセージ)であり、19世紀のヨーロッパでソーセージやハムを食べた人の間に起こる食中毒であったためこの名がついたそうです。勉強になります。
国の使用基準は亜硝酸根として0.07/kgです。
シュヴァインハイムでは定期的に亜硝酸残量の検査をして安心で安全なハム・ソーセージを作っています。

酸化防止剤(ビタミンC)

食品の酸化、特に油脂類の酸化は色や風味の劣化、褐変や退色、栄養価の低下の原因になるので、これを防止するために入れています。

リン酸塩

よりおいしく召し上がっていただくため、保水性の確保のために使用しています。
シュヴァインハイムでも作っていましたが、無添加商品はどうしてもぱさぱさします。
無添加のハムは、ハムというよりも、チャーシューの食感でした。
豚肉の塊を「ハム」にしていく工程でリン酸塩は欠かせないものだと考えています。
リン酸塩は人の体内にも存在していて、骨を形成する際に使われる欠かせない物質なのですが、過剰摂取すると害を及ぼします。よく言われるのが、カルシウムの流出です。
シュヴァインハイムでは国の定めた基準に基づいて使用量を最小限に抑えています。

美味しいソーセージで心も体も幸せになっていただくのが私たちの願いです。

いかがでしたか?食品添加物は私たちの食生活を豊かにしてくれたと思います。
もちろん、過剰摂取はよくありません。自然界に存在する野菜や果物も過剰に摂りすぎれば、時には毒になるものが存在します。
ちなみにトマトにはトマチンという毒素成分があり「トマトの致死量は4トン」と言われています。
そんなにたくさんのトマトを食べることはできませんが、なんでも食べすぎ、過剰摂取、その食品だけを摂取する、というのは体によくないことなのです。

肉も魚も野菜もソーセージもバランスよく食べて、シュヴァインハイムのソーセージやハムで、心も体も幸せになっていただきたい。シュヴァンハイムの願いです。

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